ブーメラン日記

いろんなものへの感想を書いていきます

平成の終わりとゾンビランドサガ

ゾンビランドサガ』というアニメをご存知でしょうか? 

f:id:kudou_yuan_1117:20181226134500j:plain

話題になっていたので知っている人も多いかと思います。このアニメはあらすじだけ書いてしまえば、「ゾンビとして復活した女の子たちが佐賀を盛り上げるためにアイドルになる」というお話です。アイドルアニメとして非常に出来が良いので評判になっていると考えることもできますが、僕はそれだけでこの作品が売れているわけではないと思っています。この作品が愛されるのは、「若者へのメッセージ」を持っているからです。

 

主人公たちのアイドルグループ「フランシュシュ」は色々な時代の様々な背景を持つゾンビたちで構成されています。ゾンビたちの生前はスケバン、昭和アイドル、平成アイドル、子役、花魁。これらは全て、かつて多くの人が夢中になったものです。皆を魅了する人もまた、必死に頑張っている。たとえ必死に頑張っていたとしても時が流れるにつれて、そのコンテンツから人は離れていく。この二面性が作品のテーマの一つなのでしょう。

 

一方で主人公のさくらはゾンビになる前の記憶が存在しないキャラとして描かれます。

f:id:kudou_yuan_1117:20181226141205j:plain

どうしてさくらは記憶がないゾンビとして描かれているんでしょうか。ストーリーの都合といえばそれまでなのかもしれませんが、僕はさくらが「何者にもなれる可能性を持った若い世代」を表現しているからだと思っています。

物語の終盤、さくらは生前の記憶を取り戻します。生前のさくらは努力を重ねるも、いつも運命に翻弄されて失敗してしまう人生でした。記憶を取り戻したゾンビのさくらは自分が「持っていない者」だと嘆き、アイドルのステージに立てないと言います。

こういった描写は自分を「持たざる者」だと認識する若者のメタファーなんじゃないでしょうか。震災、不景気、高齢化、暗いニュースと共に育ち、不安な未来が待っている若者は自分を「持たざる者」だと悲観しがちです。

そして若者たちはやがてコンテンツを楽しむ側から作る側になっていきます。そこで若者たちは思います、「持たざる者」の僕たちに人を魅了できるのか、やがて人が離れていくならコンテンツを作る意味はないんじゃないかと。そういった若い世代の嘆きがさくらの葛藤に込められているのでしょう。

 

フランシュシュのプロデューサーである辰巳は悩むさくらに言います、「お前は持っていないかもしれないが、俺は持っている」と。このセリフは様々な解釈ができると思いますが、さくらと同世代である辰巳のセリフということを考えるなら「生まれた時代で持っているかどうかなんて決まるわけない」と解釈できるのではないでしょうか。

 

そして終盤さくらは他のメンバーたちに支えられながらライブを成功させます。かつて人を魅了したコンテンツというのは、夢中になった人の血となり肉となってその人を支える。そういった意味で人が離れていってもコンテンツは死なない、だから人を魅了したコンテンツというのは「ゾンビ」なんでしょう。だからこそ人を夢中にさせるコンテンツを作る事に意味はある、この作品はそう言っているんじゃないでしょうか。

 

平成が終わり、新たな時代がやってくる。待っている未来は不安な事ばかりかもしれない。しかし、きっと僕らを魅了する新しい何かが待っている事でしょう。その新しい何かを作る若者の一端として頑張って生きていきたいですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

日本ダービーに感動した話

日本ダービーは福永騎手騎乗のワグネリアンが制しましたね。f:id:kudou_yuan_1117:20180603015825j:image

今回はそんな日本ダービーと福永騎手について書いて行こうと思います。

 

というのも、僕の馬券が外れて不貞腐れながらツイッターを眺めていると、こんな呟きがあったからなんです。

 

キングヘイロー「落ち着いていけよ」 

ワールドエース「人気でも気負うなよ」 

エピファネイア「仕掛けは早まるなよ」 

リアルスティール「距離不安でも前目につけろよ」 

福永祐一「わかったで」

 

もとはネットの書き込みらしいんですけど、非常に胸を打つ言葉だと思います。

 

そもそも日本ダービーというレースは1年の中で一番大きなレースといっても過言ではありません。このレースの特徴は現3歳馬の頂点を決める戦い、換言すればある年に生まれたサラブレッドの最強決定戦です

現3歳馬しかでれないのでどの馬もでれる機会は一生に一度だけ、そしてジョッキーはそんな馬の栄誉をかけレースに臨みます。

 

福永騎手はデビュー3年目の時、2番人気のキングヘイローに騎乗します。しかし、若さ故か緊張か全く馬と折り合いが合わずオーバーペースでかかってしまいます。

https://youtu.be/uX7vgGLQY2Y

結果は惨敗、これが福永騎手にトラウマになったのか彼の騎乗スタイルはここから中団からやや後方で折り合い重視の騎乗をしていくようになっています。

しかし、先行馬が有利な傾向の日本ダービーで彼のスタイルで勝てるはずもなく、実力のある馬に乗っても勝てないことが続きます。

馬にとっては一生に一度の晴れ舞台、騎手にとって馬を勝たせてあげられない悔しさや無力感は計り知れないでしょう。

そして迎えた今年の日本ダービー、福永騎手騎乗のワグネリアンは大外17番枠を引いてしまいます。一般的にダービーは内枠が圧倒的に有利で、大外枠はかなり不利なスタート枠です。しかし、今年の福永騎手は違いました。

見事なスタートを決めると位置をぐんぐん押し上げ先行集団絶好のポジションを取ります。迎えた直線では、有力馬二頭の進路をシャットアウトし、最後は見事に逃げていたエポカドーロを差し切りました。これ以上ない騎乗だったと思います。

キングヘイローの失敗があった

ワールドエースの後悔があった

エピファネイアの悔しさがあった

リアルスティールの躊躇があった

かつて勝たせられなかった馬たちの無念さを背負い、過去の自分を乗り超え福永騎手はダービー挑戦から19年目にして栄光を手にしました。

レースの後に必然性があること、これが競馬の魅力だと僕は思っています。ダノンプレミアムが怪我をした、ブラストワンピースは出遅れた、そういったことに加えて福永騎手のこれまでのレースの軌跡、色んなものが重なって今年のダービー結果につながってくるのでしょう。必然性を見出すというのはレースを俯瞰している者のエゴかもしれませんが、単純にレース結果だけでなく試合の奥行きまで感じとれるというのが競馬の面白いところでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

パーソナリティを大事にしましょう

こんばんは、ブログ更新の時間です。話の中身が食べ物ばかりなので今回は変えていきます。

最近、競馬をよくするんですけどようやく競馬のコツが分かってきました。それは各馬をそれぞれの馬として捉えるんことなんですよね。分かりやすく言うなら一匹一匹違う個体として捉えるということです。血統や過去の成績をみて予想するのではなく、血統や成績は馬を捉えるツールなんですよね。

これは人間社会にも通じるところがあって、いわゆる名医と呼ばれる人たちは病気をみるんじゃなくて人をみるそうです。偏見ですが、モテるためのファクターも一番大事なのがそういった相手を異性として捉えるのではなく一人の人間として接することなんじゃないですかね。知らんけど。二番目は清潔感やろ(適当)。

論理ばかりに目がいくと、こういった点が見えなくなるので注意したいですよね。

 

おでんのすごさ

こんばんは、今日もブログ更新していきますよ。今日のテーマはおでんです。

 おでん美味しいですよね。味の染みた大根、ボリュームのある厚揚げ、ホクホクした卵など魅力ある具材がいっぱい。それでいて、出汁が各具材をつなげていて「おでん」という一つの料理たらしめている。最高ですね。学食にあったり、コンビニに置いていたりするとつい買ってしまいます。ちなみにコンビニのおでんはファミマのが一番美味しいと思います。パックのおでんはセブンがダントツですが…。

ところで、おでんの主役ってなんでしょうか。おそらくほとんどの人が大根と答えるでしょう。これってすごいことだと思いませんか。

 多くの料理において、野菜って肉や魚の脇役もしくは引き立て役なんですよね。ハンバーグしかり、鍋しかり、料理の主役は肉であり魚です。野菜炒めとかあるだろうという意見があるかもしれないですが、これも肉が主役じゃないにせよ、野菜と肉は対等な立場止まりです。野菜が主役をはれているわけではないです。

 ただおでんは違います。魚練り物や牛スジ、ウインナーがあるなかでおでんの主役は野菜である大根なのです。すこし強引ではありますが、大根を美味しくたべるために魚の出汁をとっていると捉えれば魚が大根の引き立て役になっていると考えられますね。野菜が魚や肉を押しのけて主役になれるって料理としてすごい革新的なことではないでしょうか。

 こんな話をしているとあつあつのおでんをみんなでつつきたくなってきますね。明日のご飯はおでんかな?からしの付けすぎには注意しましょうね。

 

 

 

 

卵かけごはんのエントロピー

今日もちゃんと更新しますよ。破格の2日連続の更新、まるで弱小球団のようです。

みなさんは朝ごはんになにを食べてますか。今は懐も温かいので、ぼくはもっぱら食堂のお世話になっています。でも下宿する前やお金のないときはいつも家で食べています。そんな時よく食べるのが卵かけごはん、通称TKGです。

僕はこのTKGの食べ方にこだわりがあって、白いご飯の上に直接卵を落とすようにしています。恐らく、多くの人が卵を混ぜてからご飯にかけていると思いますが、それはもったいないことだと感じます。

まず黄身や白身を潰しながら白飯を掬う感覚はとても気持ちがいいです。そして白身、黄身と味わってから最後に混ざった部分と三回味が楽しめます。それに卵かけごはんは卵が主役ですから、最初から卵の原型を留めていないのは無粋というものではないでしょうか。これを機にみなさんも直接卵を落とすことを試してはいかがかな。

こんな話をしていると卵が食べたくなってきました。ご飯炊かないと…。

 

初めて終電に乗った話

みなさん、久しぶりです。一年ぶりの更新です。今月は頑張って更新します。

この前バイトが長引いたために人生で初めて終電にのるはめになりました。終電に乗っている時僕は中高大と自転車でしか通学してないため、電車とは縁遠い人生を送ってきたなとふと思いました。いまでも友達と駅に一緒に帰るってことにすごく憧れを抱きます。そんな感じで全然電車と関わらずに生きてきたんですけど、だからこそ電車について他の人とは違う観点で気付くことも多いです。

関西の電車は2列シートが並んだ新幹線みたいな列車が多く、関東は横一列のシートが多いですよね。なんでですかね。個人的に思うのは関西は喋りの文化があるんで2列シートで部分部分で空間を分けて喋りやすい環境を演出してるんではないでしょうか。とくに長い時間乗っていることの多い特急車両に2列シートはよく見られます。あとは単純に電車の種類が関東に比べて少ないから1車両に予算がかけられるんでしょうね。お金をかけて作られた新幹線のような2列シートはとても快適です。

新幹線につながりで話をもう一つ。東海道新幹線のCMでシンデレラエクスプレスというCMが昔ありました。シンデレラエクスプレスは新幹線の終電のことを意味していて、東京で過ごした恋人の片割れが遠くに帰ってしまうことに0時過ぎで営業が終わる新幹線が掛けられています。とてもロマンチックですね。僕には縁のない話ですが、遠距離恋愛をしている人たちはきっと一秒でも長く一緒にいたいんでしょうね。余談ですがこのCMが放送された1987年当時の新大阪行きの最終列車は21時00分発でしたが今の現在の新大阪行き最終列車は21時20分発だそうです。技術の進歩が生み出した20分が二人の永遠をつくっていたなんて話があったら素敵ですよね。

 

 

 

初秋刀魚

目に青葉 山ほととぎす 初鰹

言わずと知れた初夏の情景を歌った俳句です。

いつも思うのですが、初鰹という表現はよく用いられますが、初鯛や初鱈、初鰤とは言いませんよね、不思議です。

学生風情には初鰹よりも初秋刀魚の方がありがたく、馴染みが深いように思います。

そんなわけで、今年初めて秋刀魚を食べました。スーパーで安かったので、3匹まとめ買いし、夕食に1匹フライパンで焼きました。ジュウジュウとした焼き音が食欲をそそります。

両面をしっかり焼き、皿に取って、箸でほぐしてあつあつのご飯と一緒に頬張る、たまりません。

満足な夕食を終え、ランドリーに洗濯に行って部屋に戻ると、魚の匂いが飛びたしてきました。これもある意味秋の香りなのかもしれません。

ここで一句

目に紅葉 ツバメ飛び立ち 初秋刀魚

お後がよろしいようで。